月の兎救出作戦
〜あとがき〜



前置き

みなさんこんにちは。
るっかです。

この度は「月の兎救出作戦」をご視聴いただき、 まことにありがとうございました。

今回は今までの作品よりは長いスパンになったあげくに、 最後の二話は同日アップというよく分からない上げ方になってしまって 大変申し訳ありません。

またこのようなあとがきサイトにまでお越しいただき、重ねて御礼を申し上げます。

今回も長い話となる上に、 本編同様、私の幻想郷観が多く含まれていますので、 お時間があり、さらに一人の二次創作作者の戯言を読んでも不快にならない という方のみ読んでいただければと思います。


第一話のサムネより

月の兎

今回の作品の主人公は二人です。

月の兎である鈴仙。

地上の兎であるてゐ。

二人は「生まれは違うけれど同じ兎」という一文がありますが、 私は実はそうは思っていません。

てゐは地上に存在する兎が長生きすることを考えて妖怪化した妖怪兎です。

ですが、月の兎については私は独自の考えを持ってます。
つまり月の兎とは月の世界における奴隷的存在なのではないかということです。

月には穢れを持たぬ気品の高い神々が住んでいます。

しかし、その神々の生活を支えるにはどうやったって裏方が必要になります。

つまりその裏方こそが月の兎になるのですが、彼らは実際ボタンで耳が止めてある程度でしか兎らしくはなく、それ以外はどう考えても人間や月の民と姿に違いがありません。

これはつまり、彼女たちもまた月の民と何も変わらない遺伝子レベルで同じ種族なのではないかという証拠なのではないでしょうか。

では彼女たち月の兎と月の民とを決定的に分けているものは何かと言うと、穢れを持っているか、持っていないかなのではないでしょうか。

それは当人たちがそうなのか、もしかしたら親などの直系の家族が何かを罪を負ってしまったのかは分かりませんが、月の世界においてはある一定のルールの下で、その罪人たちを「月の兎」と呼び、月の民としての権利を持たせていないのではないだろうかと私は思っています。

ゆえに私の作品に出てくる月の兎は仮面をかぶり、自己というものを持てなくなっているという設定がありました。

また月の兎は元来、不真面目でやる気がないというような設定があるようですが、それも月の民による奴隷に対する評価であり、奴隷が奴隷のまま本気でやる気を出せるはずもないのでそう映ってしまっているのだと思っています。

しかし、幻想郷という世界においてこのルールは適用されません。 月の兎はあくまで人間より長寿の能力者ということとなり、妖怪の定義がおそらく適用されるのだと思います。
(穢れを持った天人だと言う考えもできます)

ですから、幻想郷においては、月の兎という種族なら、きっと兎に違いないというような適当な理由からてゐたち地上の兎は鈴仙に対して親近感を持っていたのだと思っています。


第三話より月の兎

豊姫の話

上で述べたように、鈴仙は「兎」ではありますが、種族的にはてゐとは違うものとして考えて話を展開させていただきます。
設定も独断と偏見によるものですので、みなさまの考えている世界観とは食い違ってしまうかもしれませんので、注意してください。

ここで、本編において語ろうと思っていた裏設定を語らせていただきます。

鈴仙は月の兎の兵士でした。

月にいた頃はちゃんと兵士として働いていました。
鈴仙は月の兎の中ではとても真面目で優秀な存在であり、すぐに綿月姉妹に目を付けられます。

そしてすぐに綿月姉妹によって飼われることになり、月の兎でありながら姉妹に気に入られ、月の民の前で仮面を外すことも許されるようになります。

しかし、あまりにも真面目すぎるせいで鈴仙が精神的に弱っていってしまいます。

それを見た豊姫は鈴仙を助けようと、休養を与えたりするのですが、それがかえって同胞が戦っている最中に何もしないことで落ち着けなかったりと、鈴仙はどんどんと心が弱って行ってしまいます。

鈴仙を救うために鈴仙をこの場においてはいけないのだと思った豊姫は、鈴仙が逃げれるように鈴仙の小屋の鍵を閉め忘れるようにしたりしてチャンスを与えるのですが、真面目すぎる鈴仙は一向に逃げません。

そこで豊姫は鈴仙に重要かつ大規模な作戦の責任者として任命し、鈴仙の決定一つで月の兎の生死が決まってしまう状況に追い詰めます。
ここでやっと鈴仙は逃げる選択を見つけ出します。

逃げていった鈴仙を見た豊姫は鈴仙が幸せになることを願っていました。

ですが、レイセンが地上に行って帰ってきたりした経緯で、鈴仙がむしろ逃げてしまったことによってさらに自分を縛りつけているということを知り、豊姫は後悔していました。

そんな中、永琳から連絡があり、今回の「月の兎救出作戦」を実行されることとなったのです。

長く語ってしまいましたが、このような話を本編に最初入れる予定だったのですが、あまりにも長いので割愛しました。

豊姫が登場してから何度もコメントでこんなに豊姫は悪い性格だとは思えないと言ったようなコメントをいただき、彼女がまったく悪意なく、作戦を遂行していたのだと理解していただければと思います。


最四話より鈴仙が刑を受けると言った時の豊姫
意図も簡単に決断した鈴仙に少し戸惑っています。


アロカシアについて

アロカシアの花言葉は「仲直り」です。

これはアロカシアが犬も喰わないから、夫婦喧嘩と同じだということでついたらしいのですが、今回はその花言葉がテーマでした。

ですが、今回は少し趣向を凝らし、花言葉を知ってしまっても、話のラストが分からない構成にしようと努力しました。

出だしで鈴仙とてゐが喧嘩をしていたという話を持ってきたのは、この物語が二人を仲直りさせるために永琳が仕組んだ物語なのだとミスリードさせるためのものでした。

おそらく花言葉もあいまって、こう考えられてる方も多かったのではないかと思います。

また、永琳が兎たちに教えた嘘の効能は永琳の願いだったということになります。
この作戦が上手く行き、鈴仙の心の傷を癒せれることを強く願っていたのです。


最終話のアロカシア
別名「クワズイモ」というそうです。


まとめ

ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

長文すいませんでした。


三作目ということもあって、少し複雑な話に挑戦してみましたが、分かりにくくなってしまいましたが、皆様の応援があったので、最後まで行きつくことができました。
本当にありがとうございました。

次回もまた色々できたらいいなと思っていますので
宜しくお願いいたします。

本当に長文すいませんでした。

るっか


最終話より 鈴仙とてゐ