前置き |
みなさんこんにちは。 るっかです。 毎回あとがきではほぼ同じ出だしになってしまいますが、 この度は「臆病で勇敢な吸血鬼たち」をご視聴いただき、 まことにありがとうございました。 またこのようなあとがきサイトにまでお越しいただき、重ねて御礼を申し上げます。 ではさっそくこの作品のあとがきというか、裏舞台のようなものの紹介したり、解説していきたいと思います。 かなり長い話となるため、お時間のある方のみ読んでいただければと思います。 |
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舞台について |
今回の物語はレミリアとフランを中心とした、紅魔館が舞台でした。 紅魔館メンバーは非常に人気の高いメンバーなので、物語展開に関しては非常に気を使ったことをこっそり白状しておきます。 今回多分一番の疑問となるのは、この話はいつの物語なのかではないかと思います。 咲夜さんらしきメイド長がいるということから、おそらく東方紅魔郷のすぐ前あたりなのだと思います。 原作とのかみ合わせをそこまで気にする必要もないと思うのですが、原作ではレミリアがフランのことを忘れてしまっていたみたいな台詞があります。 しかし本編では二人はこんなにも仲が良いので忘れるなんてことはないはずです。 よって、あれをツンデレと捉える以外方法がないので、ちょっと釈然としないかもしれませんが、そこはご了承ください。 あと、フランが弾幕ごっこで「そして誰もいなくなった」を題材とした弾幕を使っていたのは、直前にこの本を知り、丁度はまっていたからだと勝手に思っています。そしてその本を好きになったのは実はこのマムの影響という話を入れようと思っていたのですが、あまりにも本編との差があったので、そこはボツになってしまいました。 マムはフランに自分の好きなものの話をするとき、読書、特に推理小説が好きだと告げ、フランに勧めるというシーンがありました。 そこはあえなくボツとなりましたが、EDではこっそり二人で「そして誰もいなくなった」を読んでいたりします。 私の勝手な想像ではありますが、フランが分身できるようになったのも、この小説を読んで、10人に分身することで「そして誰もいなくなった」ごっこをしようと思って練習したからというのがあったりもします。 |
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二人の吸血鬼 |
今回の話は能力の独自解釈が激しく、嫌悪された方もいらっしゃると思います。 ですが、あの二人の能力は非常に強大で、どう考えても困難が降りかかるようには思えなかったので、少々バランスをコントロールすることにしました。 つまり、能力を惜しみなく使えるレミリアの能力は、「運命を操る」のではなく、「運命を選択する」能力とし、 ほとんど使うタイミングがないであろうフランの能力は、本当になんでも破壊することができる能力としました。 フランの力が強大すぎる気もしますが、だからこそ、レミリアはフランの能力を恐れ、なかったことにしようと考えたのです。 こう述べるとレミリアよりフランの方が強いと思っていると思われるかもしれませんが、私は弾幕ごっこや、基礎的な能力はレミリアの方が上だと思っています。 あくまで特殊能力としての部分ではフランの方が勝っているだけで、姉妹で喧嘩をすれば、ほぼレミリアが勝つものと思っています。 だからこそ、自分より弱いからこそ、レミリアはフランを守ろうと必死になって空回りしてしまったのです。 あと余談ですが、咲夜がフランの部屋までマムを連れて行かなかったのは、レミリアが咲夜を守るために命じたことであり、また、原作でフランは霊夢たちと出会うまで、人間を見たことがなかったという記述があるので、それの裏付けのためでもありました。 |
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妖精メイド・マム |
ええ・・・また妖精ですよ・・・(自虐) ま、まぁ、今回この作品を作る際、何度も何度も話を練り直しました。 最初は吸血鬼が鏡に映らないということは、自分の姿が見えないので、レミリアがフランの怖い姿を見て、レミリアが自分も実は怖い存在なんじゃないかと恐れる話だったりしました。 しかし、その話はあえなくボツとして、そこから何度も何度も考え、苦肉の策として、妖精が登場してしまいました。 フランとレミリアの架け橋がいないと話がうまく進まないので、仕方ない措置とも言えます。 マムは最終話でも言っているように、二人の想いのすれ違いという現象から誕生しました。 だからこそ、マムには二人の真実だけが見えていたのです。 妖精は現象そのものが具現化したものだと考えた時、では二人のすれ違いも現象と言えなくもないのではないかと思って作った設定です。 実は本編では4コマほどでマムは全てを語っているのですが、プロットでは長い台詞がありました。 『私の存在意義を説明します。 私は妖精です。 妖精は一つの現象が具現化することで生まれます。 私はあなたたちお二人がお互いを想っているのに 会えない悲しみから生まれました。 つまり私はお二人がお互い会いたいと 思っている気持ちなのです。 だから私はあなたたちの心が手に取るとうに分かったのです。 お二人はお互い嫌われていると恐れていますが、 私を信じてください。 そして、一歩踏み出してください』 このように長い台詞だと動画がどんどん長くなってしまいますので、仕方なくあのようになりました。 そして、マムの名前の意味の話もしましょう。 今回は少し分かりにくくできたと思っています。 実際にマムと言ったら「お母さん」というイメージが強いと思うので、多くの方がビッグマムとかそれっぽいことをコメントしてくださいました。 そのせいで、なんだかマムは本当にお母さんっぽいキャラになっていったような気もします。 ですが、マムの綴りは「mum」であり、お母さんという意味の「mom」とは違うのです。 では「mum」はどういう意味かと言いますと、菊の略称だそうです。 実際はとっても長い名前なのですが、話し言葉ではマムと言うのだそうです。 そして、菊。特に白い菊の花言葉は「真実」を意味します。 二人の間に隠れた真実を具現化した存在というのはそういう意味だったのでした。 |
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語らなかったその後 |
妖精マムは二人が会えないという現象から誕生したのなら、二人が会えるようになってしまっては消えてしまうのではないか。 物語を作っている際に、この疑問にぶち当たり、非常に悩みました。 最後マムが消えてしまうラストで終わるのも考えました。 でも、せっかく幸せになった二人の物語に水を差すのも嫌だったので、そこは敢えて記述することを省きました。 物語のまとめとしてはきっとマムが消えてしまう方が正しいのかなと今も思っています。 ただ、この物語の世界の舞台を思い出してください! そう、幻想郷なんですよ! 幻想郷は理想郷なんですから、きっと消えるはずのものでも、そのまま生きていけるはずなんです! だって、幻想郷なんだから! と自分を納得させて、結果マムはこのまま紅魔館で働くのではないかとこっそりと思ってはいますが、皆さまの解釈で捉えていただければと思います。 |
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まとめ |
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。 長文すいませんでした。 最後になりましたが、 この作品を見ていただき、応援していただき、コメントをいただき、マイリスしていただき、宣伝していただき、本当に本当にありがとうございました。 最後まで完成させることができたのはみなさんのおかげです。 毎回毎回、本当にありがとうございます! この喜びがみなさまにもどうか届き、少しでも喜んでいただければと思います。 るっか
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