あの日打ち落とされた上海人形の物語
〜あとがき〜



前置き

みなさんこんにちは。
るっかです。

この度は「あの日打ち落とされた上海人形の物語」をご視聴いただき、 まことにありがとうございました。

またこのようなあとがきサイトにまでお越しいただき、重ねて御礼を申し上げます。

難しい挨拶はここまでとして、 さっそくこの作品のあとがきというか、 裏舞台のようなものの紹介したり、解説していきたいと思います。

かなり長い話となるため、お時間のある方のみ読んでいただければと思います。


第一話のサムネより

この動画ができるまで

この動画を作るにあたって、様々な困難が待ち受けていました。

まず第一に私は動画を作ったことがありませんでした。
というより動画を投稿しようとすら思ってはおりませんでした。


ですが、私の師匠に当たる方に「どうせ作品を作るのなら、公開してしまおう」と言われ、小説を作り、それをどこかのサイト(Pixivなど)に投稿しようと話になりました。

しかし、師匠が小説には疎いということでいきなり突き放されてしまい(笑)、色々話し合った結果、絵本形式の動画を作ろうということになりました。
(師匠は絵本形式の動画なら作ったことがあったので)

次に待ち受けていたのは、絵でした。

こればかりは本当に自分で描いたことなんてなかったのでかなり師匠に手伝ってもらいました。

最初はほとんど師匠のトレスだったと言っても過言ではありません。
(よくわからない師匠の理論により、師匠の絵をそのまま使うことだけは許されませんでした)

でもその結果、師匠の絵を描くテクニックがどんどんついていき、師匠のゴーストライターになっても大丈夫なんじゃないか、とこの前言われました(泣)。
(問題は二人ともあまり動画の絵を描くことに積極的ではないことですね(笑))

そして、そこで突然師匠が、「いい曲見つけてきた!」という大興奮のスカチャから、実際に動画を作っていくという流れに繋がっていきました。


第一話の最後の絵より この動画では初めて完全に一人で描きました

音楽(i am robot and proud

師匠が「i am robot and proud」という方の曲をツイッターで友人に教えてもらった瞬間に私へとスカチャが飛んできました。

「この曲が、というより、作品作ってる人の名前がるっかの上海人形の話にぴったりだ!」
と言うことでした。

ユニット名は「i am robot and proud」で、翻訳すると「私はロボットであり、そうであることに誇りを持っている」ということだそうです。


――――――――――私の勝手な解釈―――――――――――

ロボットというモノには感情がありません。
しかし、ロボットに感情が芽生えるという話は数々の作品においてずっと語られてきたものです。

これは実は人間がロボットよりも優秀種として見ているというかなり独断と偏見に満ちた見方ではあるのです。
もちろんロボットを作ったのは人間なのでそう思ってしまうのは当たり前なのですが。

感情というものが人間にしか存在せず、その人間に近いロボットというものがそれを得ることができ、本当の幸せの意味を知り、時に幸せになったり、不幸になったりする話は多く存在します。
ロボットは最終的に人間に憧れ、人間になりたいと願い、最後には実際に人間になったらハッピーエンドのような話もいくつもあります。

でもこのユニット名は違うのです。
「私はロボットであり、ロボットであることに誇りを持っています」ということはそのロボットはロボットであり続けたいと思っているのです。
重要なのは思っているという部分。
ロボットなのに考えているのです。
人間のように自分で考えるようになって、その結果ロボットを選んだのです。

すばらしい感性の名前だと思いました。

――――――――――――――――――――――――――――


師匠は大層興奮しておりまして、「この曲使った動画を今から作るぞ!」と当初来年から始めようと言っていたのに、急遽作ることになりました。

しかし、私もこのユニット名には感服しましたので、断る理由は特にありませんでした。

何を隠そう、この名前を聞いて、物語のラスト、上海が取った行動が少しだけ変わりました。


最終話よりバカジャネーノ 本来は飛んで言うはずだったのですが
音楽のユニット名にちなんで座ったままに変更しました。


キャラの姿について

この作品において、一番反応を貰えたのはおそらく第一話の黒谷ヤマメのデザインかと思います。

これは上海の世界観と我々の世界観は大きく違うと言うことを表現する上での手法だったのですが、第一話の時点でそれを見抜くようなコメントをいただいてとても驚愕し、感動しました。

自分の意図することが理解されるとこうまで嬉しいものなのかと驚きました。

上海人形は我々とは違って人形なのです。
見える世界も全然違うはずなのです。

手塚治虫の「火の鳥」でも、機械の脳を移植された主人公は人間は泥クズに見え、ロボットは人間に見えるという作品がありましたが、それに影響を受けたのは言うまでもありませんね。
(だからこそお燐がブラックジャックのようなつぎはぎなんです)

デザインとして少しやりすぎかな?と思うこともありましたが、師匠が「それくらいぶっとんだ新人の方がかっこいいよ!」と言っていただけたのでそうすることにいたしました。

個人的にお気に入りなのは、もちろんヤマメちゃんです!
ヤマメちゃんかわいいよヤマメちゃん!ヤマメぇえええええええええええええええええ!!!


最二話のサムネより ヤマメちゃんはかわいい!


「ステラ」について

この作品の主人公は先ほども言ったように上海人形です。

アリスが上海人形に名前を付けるというような設定は公式にはないのですが、個人的にアリスが人形をそのように粗末に扱っているとも考えられなかったので名前を付けていたことにしました。
(私もぬいぐるみには必ず全員名前を付けますので・・・)

草案の時点では実は「上海」としか呼ばれていなかったり、最初の最初は普通に喋れて、口癖が「ジャネーノ」だったなんてこともありました。
もちろんこれはラストを考えていくにあたってすぐに却下になりましたが。
というより、ヤマメちゃんが乗っけてあげる理由もなくなるので最初から俄然無理な設定でしたね。

少し物語の核心に迫る話を。

「ステラ」はもちろん「捨てられた」を連想させるための名前です。

アリスが笑顔だったり、上海人形を探しているという描写があるにも関わらず、本当にステラを探しているのかは実は最終回まで語らないという形をとりました。

これは最後まで視聴者の皆様の興味を失わせないためのテクニックなのですが、上手く行ったでしょうか?

ただし、もちろんもっと意味があります。

今回ステラに憑りついていた怨霊は花ですが、あの花の名前は「ステラ」です。

幻想郷では珍しいため本当に「ステラ」という名前の花だと知らずにアリスはあの花を「ステラ」と名付けたという設定です。

そしてその「ステラ」の花言葉は「小さな強さ・忘れられた恋人・心がなごむ」なのです。

そして、これこそが今回の物語のテーマでした。

まぁ実際には恋人ではないですが(笑)。


第五話より 花ステラ


まとめ

ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。

長文すいませんでした。

初めての作品ですが、ここまで反響がもらえると思っていませんでしたので、本当に嬉しいかぎりです。
(師匠は「第一話、再生1000行けばいいね!」と言っておりました)

あとがきとは一体どういうものなのか分からなかったのでだらだらと長文書いてしまいました。

今後また私が動画を投稿するかはまだ分かりませんが、もし投稿することがありましたら、よろしくお願いいたします。


最後になりましたが、
この作品を見ていただき、応援していただき、コメントをいただき、マイリスしていただき、宣伝していただき、本当に本当にありがとうございました。

最後まで完成させることができたのはみなさんのおかげです。

また、師匠も本当にありがとうございました。

あなたがいなければどうやって動画作ればいいかも分かりませんでした。


みなさんに支えられて私はとても幸せです。
この喜びがみなさまにもどうか届き、少しでも喜んでいただければと思います。


るっか


最終話より ステラに水をやるステラ